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相場の捉え方(上)

■相場は大河のように

 為替相場には、世界のあらゆる金融取引や思惑が渦を巻き、強大な流れとなって押し寄せます。この事実を一個人や組織がどう動こうと止めたりすることが出来ないのは、日本の財務省が行っているドル円相場への介入を見ても明らかです。例え数十兆円にも上る介入資金をつぎ込んでも相場の反転はおろかその流れを止める事すら困難だった経験をみても、それは大河の流れをせき止められないようなものであり、ましてや個人が行うような大きくても数百万ドルの取引は、かの大河に小石を投げ込むようなもので、屁の突っ張りにもなりません。

■流れを味方に

 大河の流れを止めないまでも、例えば水面を泳ぐと仮定して、同じ10メートルを進むのであれば、流れに逆らうより流れに乗った(むしろ、流された)方が労力もかからず確実に前進できるはずです。為替相場では上昇や下落に関係なく、ご自身が取引した方向へ相場が進みさえすれば収益となるのですから、ご自身の取引方向と相場が常に同方向へ動くことを考える必要があります。ですから、いかに労力を使わず(資金をつぎ込まず)、より確実に10メートル進む(収益を上げる)ことを考えれば、流れに逆らわずに取引を行うことが必須条件となります。ましてや急流において流れに逆らって前進することなど考えるべきではなく、行動を起こした時点で最悪では"死(資金喪失)"を想定せざるを得ません。例え生還できたとしても、その間につぎ込んだ労力(資金量)は膨大なものであり、その割りには、流された分を取り戻したに過ぎず結局は少しも前進できずに終わるケースがほとんどではないでしょうか。にも関わらず、流れに逆らって進もうとする投資家は後を絶ちません。なぜでしょうか。

■逆張りの心理

 "逆張り"とは、相場において流れとは反対の方向を取引する行動のことを指します。  そもそも逆張りをしようとする時、「そろそろだ」とか「この辺だろう」など特に根拠の無い希望的観測が支配する場合が多々あります。そして希望的観測は時に異常な確信となり悪い結果を招く場合があります。しかし逆張りを悪と決め込んでしまうとまた厄介なのは、例えば指値注文のように注文に対して逆の流れがあるからこそ成立する方法を否定してしまいます。決済取引をする場合はともかく指値も含めて逆張りは、意外と上手く行かずはかないものだと言う観点に立ち、変な確信を持たないことが重要です。

■逆張りの快感

 確かに、いつどうなるか判らない為替相場で逆張りをし、反転相場を迎えたときには、快感と優越感に満たされるかもしれませんが、ある意味では偶然の出来事だと冷めて見る必要を感じます。なぜなら、大きなアゲンスト(不利益相場)を見ることなく、次なる流れを予想するためには相場のうねりの頂点や谷底のたった一点を予想しなければならず、相場の行き過ぎ行動(オーバーシュート)などを考慮すればまさに神業で、そうはいつも叶えてくれるお願いではないと思います。

ピークを捉えようと言う邪念を棄て、後からでもついて行く、くらいの心構えの方が怪我を減らせるのではないでしょうか。

確かに人間心理として、冒険家が常に存在するように、あえて険しいことに挑戦する心理があるのだと伺えます。しかし、投資は険しいことに挑戦することに意義があるのではなく、資金を増やすことに挑戦することです。リスクが高いほうが収益も高いのは事実ですが、少なくとも相場においては、リスクが高い方という意味では流れに逆らうことです。しかし一方で、より高いリスクをとろうがとるまいが、進んだ分だけが収益となることも事実で、ここではロマンだの、快感だのという人間心理を捨てることが大切であり、収益を確定できたときにだけ、歓喜に酔いしれていただければと思います。

■為替市場は24時間市場

 ごく稀ではありますが、東京市場の時間帯で相場が動く場合があります。このところクロス円相場が盛んに見えドル円相場も日中に動く場合がありますが大抵の場合、相場に大きな流れが生じるのはロンドン時間以降です。残念ではありますが、東京市場は世界3大市場には入るもののこの中では最下位です。ですから、為替を取引する限りにおいて大きなマーケットを抱えている地域の時間帯、つまり24時間いつでも取引ができない事には大きなマーケットの流れに乗る事ができる機会は限定的です。地理的な不公平を払拭できたオンラインのメリットを活用せずに為替相場を捉えてゆくことは困難なのかもしれません。

(2004年2月27日)
出典:FOREXPRESS「オンラインの潮流」(C)2003-2008
2008年7月20日筆者改訂版


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