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オンライン取引の環境−ネットワークの重大性(5)−

問題の切り分け−(1)ネットワーク部分

■インターネットの災害対策

 随分以前から、インターネット網は電話回線そのものであることはお伝えしました。この電話回線網の間にある無数のサーバーが電話局の役目を果たしながら目的地までデータを導いています。ところで、例えばアメリカと日本の間にあるサーバーの一つに問題が生じた時インターネットは不通になってしまうのでしょうか。

網の目を連想していただければ理解しやすいと思いますが、例え一つの糸が切れたとしても直ぐ隣の糸によって廻りが支えられますね。場合によっては大きな穴が空いてしまうかもしれませんが網全体が真半分に分かれてしまうことはありません。このようにインターネット回線網も例え最短のルートが取れなくても、直ぐとなりや大回りをすれば物理的に繋がっている状態は確保できます。つまり、インターネット網は、構成自体に災害対策が自然と備わったネットワークなので、少しは安心できそうです。

しかし、車と道路の関係のように大きくルートが変われば時間は掛かかりますし、基幹ルートに何かあると裏道までもが渋滞してしまう事は充分考えられます。一秒を争うオンライン取引を利用している最中にこんな場面に遭遇した場合は躊躇する事無く緊急連絡を利用し、最低限のリスクを回避することが大切なのは前回も触れました。

ただし、緊急対応を準備していても皆様が思う通りの俊敏性を確保できない場合が考えられます。緊急対応は無ければ越した事はありませんが、そのときにはきっとオンライン取引の素晴らしさを、別な意味で実感いただけるかもしれません。

■意外と重大な人為的リスク

 インターネットは様々なものを閲覧する情報交換的な利用方法から、オンライン取引のようなサービスを繋ぎ合わせる重要なインフラとしての機能をもつようになった今、もはや無責任なインフラとは言っていられなくなっています。例えばウイルス対策なども、今は随分充実してきましたが、各ユーザーの責任という以上にISPレベルでもできることは随分あるはずだと思えてなりません。

半面、過剰な値引競争からインフラ投資に充分な資金を掛けられなくなると、北米大停電のような事態に陥らないとも限らない危惧があります。電力使用料金の値下げ競争が激化した結果、送電設備などに資金を回せず、老朽化したインフラが大停電の原因だったとも聞いており、本当なら正に人為的災害だったというべきかもしれません。確かに価格は安いに越した事はありませんが、収益が殆ど上がらない状態で充分な設備投資などあるわけはないと思いますがどうでしょうか。いくら安いからといってあまりにも無責任なISPなら、少しくらい高くてもはっきり姿が見えるISPへ思い切って乗り換えることも重要かもしれません。頻繁に不通になるプロバイダーが存在するなら理由を良く聞いてみる必要があるでしょう。ましてやオンライン取引をしようとお考えの方ならこの部分は不利益として直接ご自身に降りかかってきます。安いISPを批難しているのではなく、少し高いコストでもリスクを軽減できそうな機会があるなら保険として活用する価値があるかも知れない、ということです。


■余談

 かなり昔の話ですが、プライベート使用のISPメールサーバーがダウンした事がありました。普段はメールでやり取りをしていたので電話番号など知っている訳もありません。したがって調査の請求をしようとしてもメールが動かなければ連絡すらとれない、という妙な状態に置かれたことがあります。大したひらめきではありませんでしたが、“携帯メールなら連絡が取れる!!」と思った時は頭の中で「おおー!」というざわめきが起きた記憶があります。笑い話のようなお話ですが、どうか反面教師としてお役立てください。

問題の切り分け−(2)PCと周辺機器

 大抵の皆様はご自分でPCを買い、ケーブルを敷くか無線でルーターにつないで電話回線と接続させていると思います。ルーターがレンタルの場合は自己責任とするかどうか、厳密な立場はわかりませんが、少なくとも環境を整備する責任は使用者にありそうです。

PCや周辺機器の、製品としての責任はメーカーにあるとは思いますが、環境を整備するという観点から、皆様が唯一管理できリスクを最小限にできる責任範囲だと思われます。と言っても、私のようにPCを家電製品としてしか扱えない者にとっては、難しいところはかえって触らない方が無難のようにも思えます。

次回は、一般の使用者でもこの責任範囲の中で一体どんなリスク管理が可能なのかを探ってみようと思います。

(2003年12月3日)
出典:FOREXPRESS「オンラインの潮流」(C)2003-2008
2008年7月6日筆者改訂版


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