|
■オンライン取引の環境−ネットワークの重大性(3)−
■オンライン取引で重要なこと
電子化を完成させた銀行間取引では、世界的に数千もの銀行が一つのオンライン仲介取引ネットワークに乗り入れて為替を取引しています。ヨーロッパの地方都市にある銀行もニューヨークや東京のハイテクビルにディーリングルームを構える大銀行も同じ条件で取引できるというオンライン取引の優位性を実現できるのは、これらの銀行が確実にネットワークとつながっていることが必要です。当たり前のようなことですが、この部分が最も困難で且つコストがかかる部分なのかもしれません。
一般投資家が参加するオンライン取引で考えれば、皆様がPCでクリックした信号がネットワークを通じてホストサーバーに届きます。しかるべき処理がなされた後には確認の信号が再びネットワークを通じて皆様のPCに戻り、画面上で確認できるまで通常は1秒とかかりません。こんな素晴らしい取引環境が既に取得できるのですから是非活用すべきではないでしょうか。
■問題の切り分け
しかしいくら便利で格安なオンライン取引でも、不可欠であるネットワークに関する基本的な仕組みを理解していないと不安でもあり、また適切な対応もできないのではないでしょうか。
上に述べたような夢の環境を安心して享受する為には把握しておくべき幾つかのポイントがあります。クリックしたデータがホストサーバーへ届くまでの距離的には長く時間的には短い旅路を次の大きな3つの部分に切り分けて考えて見ましょう。
- PCと周辺機器(皆様のPCから出たデータがネットワークに飛び出すまで)
- ネットワーク(ネットワークに入ったデータがホストサーバーに届く直前まで)
- ホストサーバーと周辺機器(ホスト側に入り込んだデータが適切に処理されるまで)
■切り分けた理由
では、ネットワークの「切り分け」という考え方がなぜ仕組みを理解する上で必要なのでしょうか。実は漠然とネットワークといっても個人所有のPCからホストサーバーまでの間には幾つもの「接続」があり、そのうちのどこか一つでも接続が確立されていないと重要な「確実につながっている」状態を保つ事ができません。全ての「接続」を全て各個人が管理したり、問題の追及をすることはほぼ不可能です。ですからある程度の責任所在を枠としてネットワーク全体を分割し責任所在の範囲で問題がないか調べて対応する為なのです。よく考えてみれば慣れ親しんだ事であれば皆様も自然と物事を切り分けて問題に対処しているはずですが、PCに詳しくない人にとってネットワークの事は親しくないためにどのように考えてよいのか、分からないだけだと考えます。
例えば、“懐中電燈が点かない”という事象に遭遇した時に皆様はどのような考えをしてどんな態度をとるでしょうか?恐らく先ずは「電池が切れたかな?」と思い電池を交換し、それでも駄目なら「電球が切れたかな?」と思い電球を交換しても駄目なら初めて、「壊れたかなあ」と思うと予想しますが如何でしょう。新品の代替物が直ぐにしかも安価で購入できることから「買い換えようか」と直ぐに思う方もおられるかも知れませんが、少なくともいきなり懐中電燈メーカーに電話して泣き付くことはせず、あり得そうなことから自然に試してみる気がします。何故でしょうか。
恐らく、昔の理科実験などで懐中電燈の基本的な仕組みが解っており、確率が高いリスクポイントを切り分ける事ができ、順番に可能性を探しだす方法がわかっているからだと思うのです。リスクポイントとは、まさに万が一の障害が起きた時に冷静に対応する為に抑えておかなければいけない原因となりやすい部分のことです。
もし、懐中電燈がなくてはならないような何かのプロが存在するとすれば、幾つかの懐中電燈を常に持ち歩き、交換用の電池や電球はいつも余分に持っているに違いありません。それならばということでオンライン取引をする為にPCを数セット、専用の回線を数本持ってISPも数社と契約することが出来るのであれば、これからのお話はある意味で必要ないかもしれません。
しかし、ごく普通の環境で少しでも安心してオンライン取引を利用するには、ネットワークを適切に切り分けられ、それぞれに内包するリスクポイントをイメージできれば慌てる事はないような気がします。
前回では既に基本的なPC接続についてのお話やインターネットのことまで出てしまいましたので、次回からの「切り分け」のお話はこのままネットワークからリスクポイントを探って行こうと思います。今回の冒頭でも申し上げたように、「ネットワークが当たり前につながっている重要な状態」ではなくなった時にどうするか・・・のお話です。
(2003年10月14日)
出典:FOREXPRESS「オンラインの潮流」(C)2003-2008 2008年6月29日筆者改訂版次のコラムへ
| 本コラムの内容は、執筆者の知識と経験に基づき、あくまで個人の意見として自由に書かれたものであり、正確性や完全性を保障するものではありません。万一、本コラムの内容に基づいて被ったいかなる損害についても、執筆者本人および本人が所属する全ての組織・団体、または本コラム中に引用・掲載した情報の提供者は、一切の責任を負いかねます。また、予告なしに内容を変更または廃止する場合があります。当コラムに記載・掲載されている内容の著作権は、原則として、執筆者本人に帰属し、無断で転用、複製等することはできません。 |
|
|
|