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■オンライン取引の環境−ネットワークの重大性(2)−
究極のネットワーク
■電話回線を使ってPCをつなぐ
さて前回では電話回線を利用する事で、世界中のPC同士が物理的に繋がれた広域ネットワークが完成する可能性を示唆いたしました。しかしどう見ても電話用の電線とインターネットの電線が別れているようにも見えず(まさか2層になっていて中心が電話用、廻りがインターネット?)、不思議な感じを持ったことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
■専用回線
電話回線を使ってPC同士をつなぐには専用回線を使って接続する方法とインターネットによる方法とがあります。前者の方法は安全性や安定性は増すものの、基本的には非常にコストがかかります。実は過去私が勤務していた銀行間電子仲介取引会社のシステムは専用回線でネットワークを構成していたので信頼性は高いシステムでした。もっとも信用第一とする銀行の仕様に耐えるにはコストが掛かっても信頼性が最優先目標であったことは言うまでもありません。専用回線でも世界の為替市場を繋ぐネットワークが必要でしたから国際回線である必要がありました。
もちろん為替仲介システムでしたから映像などのように大量の情報を送受信する必要はありませんので回線スピード(帯域)は小さくても済みましたが、グループ全体の年間回線使用料は数億円にも達していたと記憶しています。このような専用回線を使ったPC接続ではデータの流れは殆ど電話と同じになります。ただし国際回線間はある程度まとめて、コントロールしてやる必要があるので世界で数箇所に‘地域的な電話局’の役目をするプライベートなサーバーを設け、そこからカバーする地域にデータを飛ばしていた筈です。
■インターネット
専用回線を使ってまで頻繁な機密情報交換は行わないものの広域に及ぶ接続ニーズがあるような場合は、やはりインターネットがベストです。説明が正確ではないかもしれませんが、インターネットは電話回線網とは別のネットワークがある訳ではなく、正しく電話回線網です。独特の名札のようなものをデータの一部に付けることで「このデータは電話の為のものではなく、インターネットの為のデータですよ!」と言うように、区別する事で同じ回線網を使用しながら電話の通信と別の動きをする通信網を築いています。一般的に例えばFAXはデータを送ると料金が掛かります。これはFAXデータに電話と同じ名札をつけることで電話と同じデータの動きをすからなのです。
■インターネットのメリット
インターネットの最も素晴らしいところは、この通信技術を使えばFAXとは違って国際通信までもが無料(?)になってしまうところです。例えば、日本にいるユーザーが海外のWEBサイトを利用しても国際通話料金が課金されていないのがその証拠です。こうしたインターネットの特色を生かすことによって、例えば様々な世界のニーズが簡単に1個所に集約され安定したサービスが提供できる、と言う訳です。勿論ダイアルアップで接続する場合はインターネットに入る為に必要な名札をくれる最も近い場所まで電話用の通信をしますからその電話代が掛かってしまいます。一昔前、国際回線詐欺が問題となりましたが、ここでいう”名札をくれる最も近い場所”を海外のかなたへ自動設定し直すことで、その間の通話料を搾取していたわけです。ただし、昨今ではダイヤルアップ自体が概ね利用されなくなったことで、詐欺に遭うケースは稀となりましたが、替わってフィッシング詐欺などが問題になっています。疑わしきは行動せず、といったところでしょうか。
このようにインターネット技術を用いれば、横浜のお孫さんの電子写真映像を電子メールに添付するなどして、簡単にしかも殆ど無料で四国や九州に住む親戚の PCへ転送できます。最近はインターネットサービスを行う企業(ISP)が設置したサーバーの一部を有料で個人も簡単に借りられます。お孫さんの電子映像をこのレンタルサーバーに入れておけば、基本的には世界中何処に在住していようと好きな時にこのサーバーにアクセスしてお気に入りの写真を自分のPCへダウンロードする方法までが可能になりました。
■余談
インターネットが無料というのは語弊があります。何気なく引かれている電線やそれらを通している電柱などは、電話会社固有のインフラですから新設や保守にはコストが掛かっています。会社の資産をただでは使えませんから回線使用料というのが発生するのは当然ですしまた、サービスプロバイダー(ISP)もインターネットサーバーの設置や保全にコストがかかっています。こうした会社が存在する事で我々は快適なインターネットサービスが受けられるわけですからサービス使用料を支払うことは当然だと思います。
しかも、ブロードバンドと呼ばれる高速通信技術の発達度に比べ、利用料金といえば世界的に見ても最も安く利用できるのが日本だということを、少し前ですが新聞で読みました。我々日本人は知らない内に高品質なサービスを最も安く利用できるようになっているのです。こんな素晴らしい環境を利用しない手はなさそうですね。この話題についてはまたいつか触れることになるかもしれません。
(2003年9月11日)
出典:FOREXPRESS「オンラインの潮流」(C)2003-2008 2008年6月29日筆者改訂版次のコラムへ
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